ブログ(現場レポート)
台風のおはなし
2017年 9月 25日
残暑も落ち着き、すっかり秋になりました。
この時期、日本にたびたび訪れるのが台風です。
今回は、その台風についての豆知識をお送りします。
(ちょっと勉強チックですが、知っていて損はないと思いますよ。)
そもそもなぜ台風が発生するのか。
台風というのは、もともと海面水温が26℃以上の熱帯の海で発生する熱帯低気圧がもと。
この熱帯低気圧が台風の卵という訳です。
熱帯付近では上昇気流がつねに発生していて、海面付近の空気にはたっくさんの水蒸気が含まれています。
これが上昇気流によって上空に運ばれると、上空で冷やされた水蒸気が水や氷の粒になります。
これが積乱雲(入道雲)です。
ちなみに水蒸気が水や氷になるときなど、物体が状態を変えるときには周囲と熱のやり取りをします。
熱いおしぼりで手をふいた後、なぜか手がひんやりするのは、皮膚についた水分が蒸発するときに、皮膚から熱を奪うからです。
一方、水蒸気が水や氷の粒になるときは、これと反対のことが起こります。
冷やされた水蒸気が周囲に大量の熱を放出するため、気温がぐんぐん上がるのです。
氷や水の粒、つまり積乱雲がたくさんできると、周囲の空気がさらに暖かくなり、上昇気流も強まります。
すると、気圧がどんどん下がっていき、台風の卵である熱帯低気圧ができます。
そして、熱帯低気圧が地球の自転の影響を受けて回転し始めると、渦を巻くようになるのです。
この 熱帯低気圧がさらに発達し、中心付近の最大風速が約17m/s以上になったものが台風と呼ばれるようになります。
ちなみに熱帯低気圧は発生する地域によって、呼び名がいろいろ変わります。
北西太平洋や南シナ海に存在するものは「台風」や「タイフーン」。北大西洋やカリブ海、メキシコ湾などの北東太平洋に存在するものは「ハリケーン」。そしてインド洋や南太平洋に存在するものは「サイクロン」と呼ばれるそうです。
台風自体は年中発生し、だいたい年間の発生数は20~30個程度なのですが、日本で台風シーズンといえば8~10月です。
ではなぜ、この季節に日本付近を訪れるのでしょうか。
それは、赤道のすぐ北にある太平洋高気圧の勢力と関係があります。
台風は上空の風に流されながら、太平洋高気圧の縁を通るような経路をたどって北上します。
熱帯で発生した台風は、熱帯付近の上空を吹く貿易風という東風に乗ってまずは北西方向に移動します。
そしてある程度北上したところで、今度は進路を北東に変えてスピードアップします。
これは、上空で偏西風という強い西風が吹くようになるからです。
太平洋高気圧は、季節によって勢力が違うため、ちょうど9月ごろに台風が最も日本列島付近を通りやすくなるのです。
ひとたび接近・上陸すると雨と風でたくさんの災害をもたらす台風ですが、実は日本列島に上陸してしまうと勢力は弱まります。
というのも、もともと台風のエネルギー源は暖かい海水だからです。
陸に上陸すると、海からの水蒸気が得られずエネルギーが供給されません。そして、陸を進むにつれて地面との摩擦で風が弱まります。
だから、台風は次第に勢力を弱め、やがて消滅していきます。これが台風の一生です。
以上が、台風に関する豆知識。知っているようで知らなかった台風のメカニズム。
ちなみに、我々足場とびは、台風の接近に備えて『台風養生』という作業をします。
このように足場に貼られた防護用シートを一旦はずして、強風が逃げるようにするのです。
そして、台風が去った後はすみやかに元通りに復旧します。
安全の為、台風の接近する前後は我々足場とびは大忙しなのです☆
仮にこの台風養生を怠ると、、、
このように恐ろしい最悪の事態を招いてしまいかねません。。
何事も備えあれば憂いなし、なのです!!!